印刷業界では、環境型社会形成推進基本法、グリーン購入法、PRTR法などの法律整備を受け、環境保全への社会的要請に応え積極的に環境対応を推進する方向にあります。
特に、揮発性有機化合物(VOC)排出を抑制する社会的な動きがあり、これを受けて日本印刷産業連合会によるグラビア印刷のグリーン基準が制定されています。
しかしながら、埼玉県環境保全条例を皮切りにVOCの規制強化が行われ、溶剤型印刷インキの使用を控えるユーザーや、水溶性インキやVOC規制以外の溶剤型に変更するところも増えています。
水溶性インキについては、製版や印刷条件、使用条件など溶剤型インキに比べて不利な点も多く、仕様用途が限定されているのが実情です。海外ではフレキソ印刷方式が一般的ですが、日本のグラビア方式よりも水溶性インキとの相性もよいため採用事例が多く見られます。
PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)とは、有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物として事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組みです。
届出対象となる「第一種指定化学物質」は全部で354物質あります。そのうち届出要件の異なる「特定第一種指定化学物質」は12物質あります。その対象化学物質を製造したり使用したりしている事業者は、環境中に排出した量と、廃棄物や下水として事業所の外へ移動させた量とを自ら把握し、届け出なければなりません。
国や地方公共団体は、このPRTRのデータを環境保全施策、化学物質管理施策の基礎データとして用いる事ができ、化学物質対策の優先付けや対策の進捗状況の把握、環境リスクの評価などに活用することができます。
県民は、化学物質の排出の現状や環境リスクに関する理解を深め、行政や事業者が有する情報の提供を求めたり、自ら有害性のある化学物質の使用を削減することができます。
諸外国でも導入が進んでおり、日本では1999(平成11)年、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化学物質排出把握管理促進法:PRTR法)により制度化されました。





